
~「いくらで売れるか」より、「いくらで売れると市場が判断するか」~
戸建て住宅の売却を検討されている方が、まず気になるのはやはり「相場」でしょう。
しかし、私たち不動産業者の立場から見ると、戸建ての査定は最も難しい部類に入るというのが正直なところです。
目次
■ 戸建て査定が難しい理由
土地の査定は、周辺の類似事例や地価データなどから比較的スムーズに評価が可能です。
しかし、建物はそうはいきません。
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築年数が同じでも劣化の度合いはまったく異なります
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木造・軽量鉄骨・RCなど構造によっても評価基準が変わります
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リフォーム歴が不明確なケースが多く、設備の状態も千差万別です
つまり、中古住宅の建物部分に対して“客観的な価格”を付けること自体が不可能に近いのです。
■ 結局のところ、価格を決めるのは「市場」
戸建て住宅の売却価格は、土地と建物を合わせた**“総額”としての印象で判断されます。
建物にどれほどの価値があるかよりも、「この物件全体としていくらなら買いたいか」**という買主側の反応こそが、価格決定の最大の要素です。
そのため、売却活動を開始した段階では、売主様の思いを込めた価格で市場に出し、
問い合わせの有無や内見の反応を見ながら価格を調整していくというのが、今の売却プロセスの一般的な流れです。
■ インターネット時代の価格調整
かつては一度価格を出すと、訂正すること自体が心理的にも技術的にも難しく、
「最初に出す価格がすべて」と言われていました。
しかし、現在はネット掲載が主流。価格の訂正は以前に比べるとずっと簡単になっています。
そのため、**「まずは希望価格で出す」→「反応を見て下げる」**というスタイルがより一般的になってきました。
この傾向は、建物への愛着が強い売主様が多い戸建て住宅では、特に顕著です。
■ 実は最も売りにくいのが中古住宅
中古戸建ての売却が難しい理由のひとつは、「間取り」にあります。
多くの方が新築時にこだわりを持って設計した家は、唯一無二の間取りであることが多く、
買主側から見ると“使いづらい”と感じられることも少なくありません。
反対に、もともと建売住宅だった中古戸建であれば、クセのない間取りが多いため、買主からの受け入れも得やすく、比較的スムーズに売却へとつながる傾向があります。
■ 最後に:数字だけでは測れない価値を、どう伝えるか
戸建ての売却には「モノ」としての価値だけでなく、
「どんな暮らしができるか」「どんな未来が見えるか」という情緒的な訴求も大切になります。
広島で戸建ての売却をご検討の方は、単に数字や築年数だけで判断せず、
市場と対話しながら柔軟に価格を考えていく姿勢が、成功のカギになるかもしれません。
私たち株式会社イシダは、
こうした“定量化できない価値”にも丁寧に向き合い、売主様の想いを大切にしながらご提案いたします。










