
不動産を売却する際、「いくらで売れるのか?」は誰もが気になる最大のポイントです。
ですが、その価格は単に「相場表」や「路線価」で決まるわけではありません。
不動産の価格は、もっと複雑で、もっと人間的で、もっと市場的です。
今回は「不動産の売却価格がどうやって決まるのか」について、プロの視点からお伝えします。
不動産価格は“市場”が決める
まず大前提として、不動産の価格は市場の価格決定メカニズムによって形成されます。
簡単に言えば、「売りたい人」と「買いたい人」のバランスで成り立つのが市場価格です。
例えば、同じような条件の中古マンションでも、
買いたい人が多ければ価格は上がり、
誰も買わなければ下がります。
需要と供給の関係が、そのまま価格を動かすというのは、不動産も株式も同じです。
でも、不動産市場は“特別”です
では、株と同じように考えればいいのか?
答えは「NO」です。
不動産取引は、株式と比較して取引数が圧倒的に少ない。
東京の上場企業の株なら毎日何千件と売買されて価格が動きますが、
広島市中区の一戸建てなんて、1年で同じエリア・同じ規模の家が1件売れれば多い方です。
つまり、取引数が極端に少ない=価格の決定が不安定になりやすいという特徴があるんです。
価格決定には“人為的な影響”が入りやすい
不動産の価格は、売り手の事情・買い手の心理・仲介者の手腕など
人間的な要素によって大きく左右されます。
たとえば、売主が「早く売りたいから安くてもいい」と考えれば価格は下がる。
逆に「この価格以下では売らない」と突っぱねれば、売れずに市場から消える。
仲介会社の提案力や販売戦略によっても結果が大きく変わります。
このように、不動産の価格は“感情”や“状況”に左右されるという、非常にアナログな側面を持っています。
「隣の土地は倍出してでも買え」という格言の意味
不動産の価格の特殊性を語るうえで、昔からの格言にこんな言葉があります:
「隣の土地は倍出してでも買え」
これは単なる強気の話ではありません。
隣地は“一生に一度”しか市場に出ないかもしれない希少性があるからこそ、
多少高くても買うべきだという合理的な戦略なのです。
もうひとつ重要な意味は、安く買うとその価格が相場になるという点。
あなたが安く買ってしまうと、「あそこはその価格で取引された」と他の査定にも影響を与えてしまいます。
つまり相場を下げる「引き金」になってしまう。
だからこそ、「高く買え」ではなく
「安く買ってしまうことのリスクを理解しろ」というメッセージが込められているのです。
査定価格はあくまで“スタート地点”
不動産会社から提示される「査定価格」は、
あくまで「このくらいなら売れる可能性がある」という目安にすぎません。
実際には、タイミング・地域の競合・買主の属性・売主の事情など、
無数の要素が絡み合って最終的な「成約価格」が決まっていきます。
あなたの目的が、価格を決める
最後に、最も大切な視点をお伝えします。
売却価格を決めるのは“あなたの目的”です。
・高く売りたいのか?
・早く現金化したいのか?
・相続や整理のためにスムーズに処分したいのか?
「価格は目的達成のための手段」
この視点を持つだけで、不動産売却の判断がグッとラクになります。
株式会社イシダでは、価格の“決め方”からサポートします
市場価格、査定価格、感情、タイミング——
不動産価格は一見わかりにくいようで、
正しい視点を持てばとても合理的に説明できます。
価格に迷ったときは、「なぜ売るのか?」に立ち返る。
そのお手伝いができるのが、私たちイシダの仕事です。
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株式会社イシダ
広島市南区段原日出1丁目7-12
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